2025.12.28

脊髄反射とは?あなたが意識せずに身体を守ってくれる“瞬間のしくみ”

せきずいはんしゃとは?あなたがいしきせずにからだをまもってくれる“しゅんかんのしくみ”

はじめに

「熱っ!」と感じたとき、気づけばもう手を離していた。
そんな経験、きっとありますよね。
ああいう反応は、実は“あなた自身が考えて動いた”わけではありません。
脳がゆっくり判断していたら遅すぎるからです。
代わりに働いているのが脊髄反射(せきずいはんしゃ)。
脊髄だけで即座に判断し、体を守ろうとします。
今日はこの「影の立役者」の話をしながら、“身体ってこんな仕組みになってたんだ” とちょっと驚いていただけるような、お話をしていきます。

脊髄反射とは何か

脊髄反射とは、脳に相談せず、脊髄がその場で判断して体を動かす反応のことです。
人間の体って、本当に便利にできていて、“考えるより先に動かないと危ない場面”には、脊髄が「よし、今はこれだ」と先に動いてくれます。
例えば、
・転びそうになった瞬間に足が踏ん張る
・熱いものに触れた瞬間、手が離れる
これらは、脊髄反射の典型的な働きです。
もし「痛い!」と感じてから脳に届けて、それから考えて動いていたら、やけどやケガが増えてしまいます。
だからこそ、身体は“とっさの判断を任せる専門家”=脊髄を持っているんですね。

脊髄反射の仕組み(反射弓)

脊髄反射は、特別な“ショートカットルート”で動きます。
体の中では、次のような流れが静かに起こっています。

ステップ1:刺激をキャッチ
皮膚や筋肉が「痛い」「伸びた」といった変化を感じます。
ステップ2:脊髄へ “直送”
その情報が、脳ではなく脊髄にまっすぐ送られます。
ステップ3:脊髄が即決
脊髄が「今すぐ避けよう」「縮めよう」と判断します。
ステップ4:筋肉へ指令
脊髄から筋肉へ、「今だ!」と指示が出ます。
ステップ5:筋肉が動く
あなたが意識するより早く、体が動きます。

脊髄反射は、体を守るための「緊急時優先ルート」と言えます。

脊髄反射の種類

脊髄反射にはいくつか種類があります。

伸張反射

いちばん有名なのがこの反射です。
病院で膝下を軽く叩かれると、
「コンッ」
という音とともに、足がピンと伸びますよね。
これが伸張反射(しんちょうはんしゃ)。
筋肉が急に伸ばされると、反射的に縮んでバランスを保とうとする仕組みです。
たとえば、
つまずいたときにグッと足が踏ん張れるのも、この反射が働くためです。

屈曲反射

これは“危険回避の即行動”とも言える反射です。
熱いフライパンに触れた瞬間、
「熱っ!」
と声を出す前に手が離れますよね。
あれこそ屈曲反射です。
痛みや熱を感じた瞬間、脊髄がすぐに「離れろ!」と指令を出します。

交差性伸展反射

右足で踏んだガラス片から足を引いたとします。
その瞬間、左足が“ぐっと伸びて”体を支えてくれることがあります。
これが交差性伸展反射
右足は引く、左足は伸ばす。
同時に行うことで、倒れずに済むわけです。
身体って本当に上手いことできているなぁ、と思える瞬間です。

皮膚反射

皮膚を軽くこすったり触れたりすると、
その部位に応じた反応が起こる反射です。
反応が出るか出ないかは、神経の状態を知るヒントになるため、
医師が検査でよく利用します。

脊髄反射が弱くなる/強くなるということ

診察のときに医師が“反射を調べる”理由は、ここにあります。

反射が弱くなる場合

・末梢神経がうまく働いていない
・筋肉そのものの病気
・脊髄の一部に障害がある
こうした場合には、反射が弱いことがあります。

反射が強く出る場合

脊髄より“上”の場所で、反射を抑える仕組みに問題があると、
必要以上に反射が強くなることがあります。
医師は、反射の強さ・左右差・反応の出方から、
神経系の状態を丁寧に見ています。

脊髄反射は“体を守る安全装置”

脊髄反射は、私たちが意識しないところで働き続けてくれています。
「踏ん張れた」「手が離れた」「倒れずにすんだ」
そのたびに、脊髄反射ががんばってくれていたわけですね。
もし、
・左右の反応が違う
・以前より反射が弱い/強い
そんな変化に気づかれた場合は、神経の状態を確認する良いタイミングかもしれません。
交野病院・脊椎脊髄センターでも、神経の反射検査を行っています。
気になる方は一度ご相談ください。

ご相談は「交野病院 脊椎脊髄センター」へ

公式HPはこちら

RELATED ARTICLE 関連記事

脊髄反射

脊髄膨大部とは

脊髄反射

脊髄の前角・後角・側角のこと

脊髄反射

脊髄くも膜下腔とは

脊髄反射

脊髄円錐って何?位置・高さ・馬尾との違い、症候群までを整理