2025.05.01
黄色靭帯骨化症のリハビリテーション
きいろじんたいこつかしょうのりはびりてーしょん
黄色靭帯骨化症のリハビリテーション
黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)は、背骨の内部にある「黄色靭帯」が骨のように硬くなり(骨化)、脊髄を圧迫してさまざまな症状を引き起こす病気です。手術後の回復や進行予防には、適切なリハビリがとても重要です。
この記事では、黄色靭帯骨化症のリハビリのポイントと、知っておくべき禁忌事項を詳しく解説します。
黄色靭帯骨化症のリハビリ
黄色靭帯骨化症の治療後や保存療法では、脊椎周辺の筋力強化や動作の改善を目的にリハビリが行われます。適切なリハビリを行うことで、痛みや症状の軽減・筋力の維持強化・日常生活の質向上・病状の進行予防などの効果が期待できます。
リハビリの具体的な方法
・筋力トレーニング
背筋や腹筋を中心とした筋力トレーニングを行うことで、骨盤周囲の筋肉を鍛えて脊椎の安定性を高めます。
・ストレッチ
背中や腰、下半身の柔軟性を高めるストレッチを行うことで、関節の可動域を広げ、筋肉の緊張を和らげます。
・歩行訓練
正しい姿勢での歩き方のやバランス能力を高める訓練を行います。
・日常生活動作(ADL)訓練
日常生活での姿勢や動作(立ち上がりや座り方)の改善指導をすることで負担をかけない動作習慣の指導
リハビリでの禁忌
黄色靭帯骨化症のリハビリは、誤った動作をすると症状が帰って悪化してしまうリスクがあります。下記のような動きには注意しましょう。
・背中や首を極端に反らす動作
骨化した黄色靭帯がさらに脊髄を圧迫し、神経症状の悪化を招きます。
・強い衝撃を伴うジャンプ運動
衝撃が直接脊椎に伝わり、骨化した部位が神経を圧迫する危険性があります。
・重い物を持ち上げる動作
脊椎への負担が大きくなり、骨化部分の進行や神経圧迫を強める可能性があります。
・長時間の無理な姿勢や動作の継続
一定の姿勢を長く続けると、筋肉や関節の緊張が高まり、症状の悪化を招きます。
正しいリハビリのために
日本整形外科学会や脊椎脊髄病学会には、リハビリについて定められたリハビリガイドラインがあり、これを基に医師や理学療法士と共に適切な運動プログラムを作成することが推奨されています。
自己判断で無理なリハビリや誤った動作を行わないように、専門家の指導の下で安全に実施しましょう。