2025.08.27

ぎっくり腰とは?

ぎっくりごしとは?

ぎっくり腰とは?

「朝、顔を洗おうと前かがみになった瞬間」「くしゃみをしただけで」――こうした些細な動作が、激しい腰の痛みにつながるのが“ぎっくり腰”です。

実はその背後には、積み重なった「負担」や「疲労」が隠れています。以下のような原因が、ぎっくり腰を引き起こすきっかけになります。

ぎっくり腰

腰椎や椎間板にかかる負荷

腰の骨(腰椎)やその間にあるクッション(椎間板)は、常に上半身を支えています。
長時間の立ちっぱなし・座りっぱなし・重い荷物の持ち上げなどで椎間板が圧迫されると、腰の動きに耐えられなくなり発症します。

【ポイント】
背骨の柔軟性が落ちていると、わずかな動作でも“限界”を超えることがあります。

無理な動作(急な動き・ひねり)

重い物を急に持ち上げたり、不自然な体勢で動いたりすると、腰回りの筋肉や靭帯が一気に引き伸ばされ、損傷や炎症が起きてぎっくり腰になることがあります。
特に準備運動なしでの運動や、「くしゃみ」「子どもを抱っこ」などが引き金になる例も。

不良姿勢(猫背・反り腰・骨盤のゆがみ)

背中を丸めて座る姿勢や、反り腰・片足重心などの日常的な姿勢のクセが、じわじわと腰に負担をかけています。
特にデスクワークで長時間同じ姿勢を続けている人は要注意。骨盤の角度が崩れ、腰の筋肉が常に緊張状態になり、ちょっとした動作で“爆発”してしまうこともあります。

症状の現れ方&ピークはいつ?

・痛みのピークは発症後2〜3日目が多い
・70%の人は1週間以内に改善、90%以上は2〜3週間以内で回復
・1週間以上続く場合は椎間板ヘルニアや圧迫骨折などを疑い、必ず医療機関へ

日常生活で腰がラクになる座り方・立ち上がり方&簡単ストレッチ

ぎっくり腰

腰に負担をかけない座り方

◯ こんな人におすすめ
・ぎっくり腰の痛みがある
・椅子に長時間座るのがつらい
・座ってから立ち上がる時に「ズキッ」と痛む

◯ 正しい座り方の手順
1. 背もたれに深く腰をかける(浅く座らない)
2. 膝の角度は90度、足裏をしっかり床につける
3. 骨盤を立てるように軽く前傾させ、背中を丸めすぎない
4. 必要なら腰にクッションを入れてサポート

【ポイント】
猫背になると腰椎のカーブが崩れ、腰に余計な負荷がかかります。骨盤から起こす意識を持ちましょう。

安全な立ち上がり方

✓ 痛みを感じにくくするコツ
1. 足を肩幅に開き、膝を90度よりやや前へ出す
2. 手すりや太ももに手を置いて上体をやや前傾
3. 「よいしょ」と息を吐きながら、膝と股関節を使って立つ
4. 腰を反らずに、体幹を意識して真っ直ぐ立ち上がる

【ポイント】
腰だけで立ち上がろうとせず、足・膝・お腹の力を分散させると痛みが出にくくなります。

座ったままできる太もも裏ストレッチ

腰にやさしい姿勢改善ストレッチ

1. 椅子に浅めに座る
2. 片足を前に出し、かかとを床につける
3. つま先を上に向けて、太もも裏が伸びる感覚を確認
4. 背筋を伸ばし、腰を丸めずにゆっくり前へ倒す(15秒キープ)
5. 反対足も同様に行う

【ポイント】
このストレッチは、ハムストリング(太もも裏)を柔らかくすることで、腰への負担を減らす効果があります。

初期の安静生活とその後の活動再開

・発症直後1〜2日目
極度の痛みがある場合、最も楽な姿勢で深呼吸しながら安静に。仰向けは避け、膝下にクッションを入れると楽に。

・3日目以降
痛みが和らいできたら、正座やストレッチなど軽い動きに移行し徐々に普段の生活へ。完全な「寝たきり」は避けましょう。

コルセット・マッサージ・入浴の活用法

ぎっくり腰になると、「何をしても痛い」「少しでもラクになりたい」と思うのは当然です。
そんなときに頼りになるのが、コルセット・マッサージ・入浴といった“補助的なケア”。
ただし、やり方を間違えると逆効果になることもあるため、正しい使い方を知ることが大切です。

コルセットの使い方|正しく巻けば「動ける」が変わる

✓ いつ使う?
・強い痛みがある初期(発症~5日程度)
・動くときに不安がある場合(通勤、家事など)

✓ 効果
・腰椎を安定させ、筋肉の緊張や痛みを軽減
・動作による悪化を防ぎ、安心して体を動かせる

✓ 注意点
長期使用(2週間以上)はNG:腹筋や背筋の筋力が低下し、再発しやすくなります。
日中のみ使用し、寝るときは外すのが基本です。
・サイズや巻き方は、医療機関で相談するのがおすすめです。
コルセット=安静ではなく、“動ける体をつくるための補助具”と考えましょう。

マッサージの効果と注意点|やっていい人・ダメな人

✓ 効果がある人
筋肉の緊張(こわばり)によって痛みが出ているタイプ
・「ぎっくり腰は筋肉のトラブル」と言われた人

マッサージを受けることで、筋肉の血流が改善され、痛みやこわばりがやわらぐ効果が期待できます。整体やリラクゼーションで受けられることも多く、気持ちもリラックスしやすくなります。

✓ 控えたほうがいい人
足のしびれや神経症状がある人(椎間板ヘルニアの可能性)
・強い痛みがある急性期(発症から48〜72時間以内)

【注意】
マッサージで悪化するケースもあるため、「痛みの原因が筋肉なのか、神経なのか」を医師に確認してから行いましょう。

入浴のコツ|「冷やす?温める?」迷ったらコレ

✓基本ルール
発症から6時間以内:冷やす(炎症を抑える)
痛みが落ち着いたら:温める(血行を良くして回復を促進)

✓ 入浴のメリット
・筋肉がやわらぎ、動き出しがスムーズになる
・自律神経が整い、自然な回復力が高まる

✓ 入浴のやり方
・湯温は38~40℃程度のぬるめがおすすめ
10~15分程度を目安に、半身浴でもOK
・浴槽から出るときはゆっくり、手すりを使うと安心です

✓ 入浴を避けるべきとき
・発熱や腫れ、強い痛みがある
・動けないほど痛みが強い
・痛みが悪化した直後(無理して温めると逆効果)

【ポイント】
「温めるのは回復期、冷やすのは急性期」と覚えておくと便利です。

回復までのステップと医療機関受診の目安

ぎっくり腰

特に受診をおすすめするケース

・強い下肢のしびれや麻痺
・発熱、夜間痛、じっとしても痛む場合
・2週間以上改善が見られない

繰り返さないための予防策

・筋力アップ&柔軟性維持
キャットキャメル(背中を「丸める」→「反らす」を交互に繰り返す運動)、膝抱え、太ももストレッチを習慣に

・姿勢習慣の見直し
デスクワーク時の胸の張り、長時間同一姿勢を避ける、荷物は両手で持つなど

・身体の“癖”をチェック&改善
四つん這いや仰向け脚動作で股関節の使い方を意識し、腰に偏った動きを改める

ぎっくり腰を正しく知って、正しく向き合おう

ぎっくり腰は、ある日突然起こるように見えて、実は日々の姿勢・動作・疲労の蓄積が原因となって起こる“体からの警告”です。発症直後は「安静」が必要ですが、数日後からは「動くこと」が回復への近道になります。
また、ぎっくり腰は、正しい知識とセルフケアで十分改善が見込める症状です。
ただし、2週間以上たっても痛みが改善しない場合や、足のしびれ・力が入らない・微熱が出るといった症状があれば、椎間板ヘルニアや脊椎の疾患が隠れている可能性もあります。

つらい腰痛が続くなら、専門の診断を

交野病院 脊椎脊髄センターでは、ぎっくり腰や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの診断・治療を専門的に行っています。

「ただのぎっくり腰だと思っていたけど、なかなか良くならない…」

そんな方は、MRIや神経評価を含めた精密な検査と、専門医の診察を早めに受けることが早期回復と再発予防のカギになります。

公式HPはこちら

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