2024.07.03

リハビリ/バランス・姿勢訓練

りはびり/ばらんす・しせいくんれん

バランス訓練とは

バランス訓練は、体の安定性を向上させ、転倒のリスクを減らすことを目的としています。特に脊髄脊椎疾患の患者さんにとって、バランスの維持はとても重要なポイントです。
主な訓練方法についてご紹介いたします。

バランスボード
バランスボードを平らな床に置き、ボードに両足を乗せバランスを取ります。初めは手を壁や椅子に添えて行いましょう。バランスを取りながら1〜2分間保持し、徐々に時間を延ばします。
足首、膝、腰の安定性を高め、全身のバランス感覚を向上させることができます。

片足立ち
平らな床に立ちます。最初は壁や椅子のそばに立ち、手を添えます。片足を持ち上げて、もう一方の足でバランスを取ります。最初は10秒間保持し、徐々に30秒まで延ばします。反対の足でも同様に行いましょう。
下肢の筋力とバランス感覚を強化し、転倒リスクを減少させることに繋がります。

タイトロープ歩行
床に一本の直線(テープや縄)を置きます。直線上をつま先とかかとを一直線に並べるように歩きます。手は腰に置くか、バランスを取るために広げます。前後に10歩ずつ歩き、徐々に回数を増やしていきましょう。
歩行時のバランスと姿勢を改善し、足の筋力を強化することができます。

ボールの受け渡し
パートナーと向かい合い、適度な距離を保ちます。片足で立ち、パートナーとボールを投げ合います。バランスを保ちながらボールをキャッチし、投げ返します。片足での立位を左右交互に行いましょう。
バランス感覚と反応速度の向上、全身の協調性を強化を目的としています。

姿勢訓練とは

姿勢訓練は、正しい姿勢を維持するための筋肉を強化し、脊椎への負担を軽減することを目的としています。主な訓練方法についてご紹介します。

ウォールエクササイズ
壁に背をつけて立ち、足を肩幅に開きます。肩、背中、腰を壁に押し付ける。顎を引き、耳、肩、腰、膝、足首が一直線になるようにします。この姿勢を5〜10秒間保持し、ゆっくりと戻します。この手順を5〜10回繰り返し行いましょう。
これによって、正しい姿勢を再認識し背筋と腹筋を強化することができます。

姿勢チェック
大きな鏡の前に立ちます。肩を引き、胸を張り、背筋を伸ばします。横から見て、耳、肩、腰、膝、足首が一直線になるようにします。正しい姿勢を数秒間保持し鏡で確認します。このチェックを日常的に行いましょう。
日常生活での姿勢の維持をサポートし、正しい姿勢を習慣化します。

キャットカウエクササイズ
四つん這いになり、手は肩の下、膝は腰の下に置きます。息を吐きながら背中を丸め、頭を下げます(キャットポーズ)。息を吸いながら背中を反らし、頭を上げます(カウポーズ)。これをゆっくりと5〜10回繰り返します。
背中と腰の柔軟性を向上し、姿勢改善に効果が期待できます。

コアトレーニング(プランク)
うつ伏せになり、肘とつま先を床に置きます。体を一直線に保ち、頭から足まで平行にします。お腹に力を入れ、腰が反らないように注意します。この姿勢を20〜30秒間保持し、徐々に1分間まで延長します。これを3〜5回繰り返しましょう。
体幹筋の強化、姿勢の安定、全身の筋力向上に効果が見込めます。

さいごに

姿勢訓練とバランス訓練は、脊椎脊髄疾患のリハビリテーションにおいて欠かせない要素です。これらの訓練を日常生活に取り入れ、継続することで、患者さんは自身の身体のコントロールを取り戻し、より充実した生活を送ることができます。
ただし、誤った方法ややり過ぎにより逆に身体に負担をかけてしまう可能性もあるため、専門家の指導の下、安全に実施することをおすすめします。

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