2024.08.02
保存療法/温熱療法
ほぞんりょうほう/おんねつりょうほう
保存療法/温熱療法
保存療法は、手術を避けて症状を管理し、生活の質を向上させるための非侵襲的な治療法です。これには、姿勢や寝姿勢の改善、運動療法、温熱療法、食事療法などが含まれます。
温熱療法は、患部を温めることで血流を促進し、筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減する治療法です。
血流促進
温熱により血管が拡張し、血流が増加することで、酸素や栄養素が供給され、老廃物が排出されやすくなります。
筋肉の緊張緩和
温熱が筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高めます
鎮痛
温熱による鎮痛効果で、痛みが軽減されます。
脊椎脊髄疾患の治療においては、温熱療法は補助的な役割を果たし、他の保存療法と組み合わせて使用されます。
温熱療法の種類
ホットパック
温めたパック(通常、ゲルやハイドロコロイド素材)をタオルで包み、患部に15-20分間当てます。手軽に使用でき、持続的な温熱効果と局所的な温熱療法として効果的な方法です。
温熱マット
温熱マットを使用して一定の温度で患部を温めます。温度調整が可能で持続的な温熱が可能、広範囲の患部に適用できリラクゼーション効果も期待できる方法です。
温浴
温かいお風呂やホットタブに全身または患部を浸けます。水温は38-40度が適切です。自宅でも簡単にでき、全身の血行を促進して筋肉の緊張を和らげることができます。
超音波療法
超音波を使用して深部組織に温熱効果を与えます。ジェルを塗布した患部にプローブを当て、超音波を照射する方法です。深部の筋肉や関節にまで温熱効果を与えることで治療効果が高く、疼痛緩和と組織修復を促進することができます。
パラフィン浴
温かいパラフィンワックスに手や足を浸し、ワックスを固めて剥がすといった方法です。関節の柔軟性を高め、リウマチや関節炎の痛みを和らげる事ができ、局所的な温熱効果と保湿効果も得ることができます。
温熱療法のデメリット
温熱療法にはいくつかのデメリットやリスクがあります。
皮膚の火傷
温熱を適用する際に過度の熱を使用すると、皮膚の火傷や損傷を引き起こす可能性があります。
急性炎症の悪化
急性の炎症がある場合、温熱療法は症状を悪化させる可能性があります。
持続時間の制約
効果が一時的であり、持続時間が限られているため、定期的な施術が必要です。
適用制限
特定の疾患(例えば、出血傾向のある疾患、感覚障害、悪性腫瘍など)には使用できません。
個人差
効果には個人差があり、全ての患者に同じ効果が得られるわけではありません。
※交野病院 脊椎脊髄センターでは、温熱治療は行っておりません