2025.06.30
椎間板とは?背骨の動きを支える「クッション」のひみつ
ついかんばんとは?せぼねのうごきをささえる「くっしょん」のひみつ
「椎間板(ついかんばん)」とは、背骨を構成するひとつひとつの骨(椎骨:ついこつ)の間にある、やわらかいクッションのような組織のことです。
この椎間板があるおかげで、わたしたちの背骨はしなやかに動き、体にかかる衝撃をやわらげることができます。たとえば、ジャンプしたときや重い荷物を持ち上げたときに、背骨へ直接ダメージがいかないのは椎間板ががんばってくれているからなんです。

椎間板はどこにあるの?
椎間板は、首から腰までの背骨(頚椎・胸椎・腰椎)にかけて、椎骨と椎骨の間すべてにあります。
特に、腰の部分にある椎間板(腰椎椎間板)は、体の重みをもっとも受ける場所なので、傷みやすいと言われています。
椎間板のつくり ― 髄核と線維輪

椎間板は、ふたつの部分からできています。
・髄核(ずいかく)
真ん中にあるゼリーのような柔らかい部分で、主に水分でできています。クッションの中心にある「やわらかい芯」のような存在です。
・線維輪(せんいりん)
髄核を包む、少しかための層。たまねぎの皮のようにいくつもの層が重なっていて、髄核が外に飛び出さないように守っています。
この2つがセットになって、体の動きや重さに対応できる構造になっています。
椎間板の役割は?
椎間板には、次のような大切な働きがあります
・衝撃を吸収する
歩いたりジャンプしたりするときに、背骨に伝わる力をやわらげてくれます。
・背骨の動きをスムーズにする
椎間板があることで、背骨は前後左右、ひねるような動きまで柔軟にこなせます。
・神経の保護にも関わる
背骨の中を通っている神経(脊髄や神経根)を、動きや衝撃から間接的に守る働きもあります。
椎間板は年齢とともに変化する
年齢を重ねると、椎間板の中の水分が少なくなり、弾力がなくなってきます。これを椎間板の変性といいます。
さらに負担がかかると、線維輪が傷つき、中の髄核が外に飛び出してしまうことがあります。これが椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアとは?
髄核が外に飛び出して、神経にふれてしまうと、
・腰やお尻、足の痛みやしびれ(腰椎椎間板ヘルニア)
・首や肩、腕のしびれや痛み(頚椎椎間板ヘルニア)
などの症状があらわれることがあります。
椎間板を守るにはどうすればいい?
椎間板のトラブルを防ぐためには、日ごろのちょっとした心がけが大切です。
・正しい姿勢を意識する(座るとき、立つとき)
・長時間の同じ姿勢を避ける(ときどき体を動かす)
・適度な運動(ウォーキングやストレッチ)を取り入れる
・重い物を持ち上げるときは、腰ではなく膝を使って
これらを意識するだけで、椎間板への負担をぐっと減らすことができますよ。
よくある質問(FAQ)
Q. 椎間板って軟骨なんですか?
はい、椎間板は軟骨の一種と考えられています。ただし、関節の軟骨とは少し性質が異なり、水分を多く含んだ特殊な組織です。
Q. 「椎間板」の読み方は?
「椎間板」は「ついかんばん」と読みます。「ついけんばん」と間違えられることもありますが、正しくは「ついかんばん」です。
Q. 看護やリハビリではどんなサポートをするの?
椎間板の病気をもつ患者さんに対しては、痛みの軽減や動作のサポート、再発防止の運動指導などが行われます。病院やクリニックの看護師さんや理学療法士さんが、日常生活での注意点なども丁寧に教えてくれます。
まとめ
椎間板は、目には見えにくいけれど、私たちの体を支える大事な存在です。加齢や日常のクセでダメージを受けやすいため、早めのケアと予防がとても大切。
「ちょっと腰が重いな」「足がしびれるな」と感じたときは、無理せず整形外科を受診して、椎間板の健康状態をチェックしてもらいましょう。