2025.08.27

脊髄硬膜外血腫とは?原因・症状・診断・再発リスク・看護まで解説

せきずいこうまくがいけっしゅとは?げんいん・しょうじょう・しんだん・さいはつりすく・かんごまでかいせつ

脊髄硬膜外血腫とは?

「脊髄硬膜外血腫(せきずいこうまくがいけっしゅ)」とは、脊髄を包む硬膜の外側に出血が起こり、血のかたまり(血腫)ができる疾患です。出血によって脊髄が圧迫され、手足のしびれ、麻痺、排尿障害などの神経症状が急速に進行することがあります。

多くの場合、早期に診断し適切な処置を行えば回復が望めますが、診断や治療が遅れると後遺症が残るリスクがあります。

硬膜外血腫

原因:なぜ出血が起こるのか?

脊髄硬膜外血腫の原因はさまざまです。主に以下のようなケースで発症することが報告されています。

・外傷(転倒や交通事故など)
・抗凝固薬・抗血小板薬の使用(特に高齢者)
・血液疾患(血友病、白血病など)
・脊椎の手術や神経ブロック注射などの医療行為
・自然発症(明確な原因がないものも存在)

特に、抗凝固薬を内服中の高齢者では、軽微な外力でも発症するリスクが高いため注意が必要です。

症状:突然のしびれや麻痺に注意

脊髄硬膜外血腫の症状は、出血の部位や大きさによって異なりますが、以下のような症状が代表的です。

・急激に現れる背中や首の痛み
・手足のしびれや脱力
・歩行困難
・尿や便が出にくくなる、または失禁
・痛みのない麻痺(サイレント麻痺)

これらの症状は、数時間〜数日で急速に進行することもあり、早期発見と治療が後遺症の有無を左右します

診断方法:MRIとCTが重要なカギ

MRI(磁気共鳴画像)
脊髄硬膜外血腫の診断には**MRI**が最も有効です。血腫の位置や大きさ、脊髄の圧迫具合などを詳細に把握できます。特にT1・T2強調画像を使い分けることで、出血の時期も推測できます。

CT(コンピュータ断層撮影)
緊急時やMRIが使えない環境では**CT**も有用です。骨折の有無や大きな血腫の有無を確認できますが、微細な出血や脊髄の状態を評価するには限界があるため、最終的にはMRIが必要とされます。

治療:緊急手術が必要なことも

血腫の大きさや神経症状の進行具合によって治療方針は異なります。

・軽度の場合:経過観察や保存的治療(安静、薬物治療など)
・中〜重度の場合:緊急手術(椎弓切除術などによる血腫の除去)

発症から24時間以内に手術を行った場合、予後が良好になる傾向があります。そのため、早期受診と適切な診断が非常に重要です。

再発のリスクは?どんな人が注意すべき?

脊髄硬膜外血腫は再発する可能性があります。再発リスクが高いとされるのは以下のような人たちです。

・抗凝固療法を継続している人
・高血圧・動脈硬化の持病がある人
・血液凝固異常がある人
・手術後に十分な止血が得られていない場合

再発を予防するには、抗凝固薬の調整や定期的な画像検査のフォローが推奨されます。

看護・ケアのポイント

看護の現場では、以下のような対応が重要です。

・バイタルサインの観察(特に神経症状の変化)
・排尿・排便コントロールの支援
・転倒や再出血を防ぐための環境整備
・リハビリ支援とメンタルケア

患者さん本人だけでなく、ご家族への情報提供や不安への配慮も大切です。

まとめ:早期発見・治療が未来を変える

脊髄硬膜外血腫は、突然発症し、神経に大きなダメージを与える疾患です。しかし、早期に気づいて適切な診断と治療ができれば、多くの方が社会復帰可能です

もしも「急な手足のしびれ」や「原因不明の背部痛」が現れたら、すぐに神経専門の医療機関を受診するようにしましょう。

ご相談は「交野病院 脊椎脊髄センター」へ

公式HPはこちら

RELATED ARTICLE 関連記事

硬膜外血腫

脊髄腫瘍とは?場所と性質でわかる基礎知識

硬膜外血腫

ぎっくり腰になったら仕事はどうする?

硬膜外血腫

ぎっくり腰とは?

硬膜外血腫

「椎間板ヘルニアだけど、無事に出産できるのかな…?」そんな不安を感じていませんか?