2025.05.01
脊柱管とは?背骨に守られた神経の通り道
せきちゅうかんとは?せぼねにまもられたしんけいのとおりみち
脊柱管(せきちゅうかん)とは、背骨(脊椎)の中心にあるトンネル状の空間のことを指します。このトンネルの中を、大切な神経組織が通っています。
場所は、頭のすぐ下にある「頚椎(けいつい)」から始まり、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)と連なり、仙骨(せんこつ)の上まで続いています。 つまり、脊柱管は首から腰にかけて長く伸びている構造です。

出典:https://www.yokohama-shintoshi.jp/information/diagnosis/seikei/lumbar-canal-stenosis.html
脊柱管の場所・構成ですが、図を見ると脊柱管は背骨の真ん中を縦に貫く長い空間であり、椎体・椎間板・靭帯によって支えられている様子がわかります。
▼ 脊柱管と脊髄の違いを簡単に ▼
脊柱管と脊髄についてよく混同されがちですが、
脊柱管:神経の通り道(トンネル)
脊髄:その中を走る神経本体(ケーブル)
とイメージすると分かりやすいでしょう。
脊柱管を通るもの:脊髄と馬尾神経

出典:https://www.kango-roo.com/word/5025
脊柱管の中を通るものは、場所によって異なります。
頚椎・胸椎のあたりでは、脳から続く「脊髄(せきずい)」が通ります。
腰椎に入ると、脊髄は枝分かれし、「馬尾(ばび)神経」という束になります。
このように、脊柱管は「神経の高速道路」のような役割を持っています。
脊柱管の構造と前後径とは?
脊柱管は、周囲を骨(椎体と椎弓)や靭帯(黄色靭帯など)で囲まれ、神経をしっかり守っています。 このトンネルの広さを表すのが「前後径」という言葉です。
正常な前後径は、部位にもよりますが13~15mm程度とされます。 10mm以下になると「脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)」と診断されることが多いと言えます。
脊柱管に関係する疾患とは?
脊柱管が狭くなって神経を圧迫すると、「脊柱管狭窄症」が起こることがあります。 症状としては、腰痛、足のしびれ、歩行困難などがみられます。 詳しくは別記事【脊柱管狭窄症とは?原因・症状・進行・治療法を解説】で解説していますので、あわせてご覧ください。