2025.03.15

脊髄とは?脊髄の働きや構造を理解しよう。

せきずいとは?せきずいのはたらきやこうぞうをりかいしよう。

脊髄(せきずい:spinal cord)とは、脳とつながる太い神経の束で、中枢神経の一部のことです。
脳からの「腕や脚を動かす」などの指示を全身に伝える役割と、その逆に「痛みやしびれ」などの感覚的な全身の情報を脳に伝える役割は、この脊髄が担っています。 脊髄の構造や働きについてよく知ることで、脊髄疾患を理解するための基礎知識を身に着けていきましょう。

どこからどこまでが脊髄?

脊髄とは?

出典:https://www.neurospine.jp/original29.html

脊髄は、延髄(脳幹の一部)から始まり、腰椎(背骨の腰の部分)の第1~第2腰椎(L1~L2)のあたりで終わります。この延髄から続く脊髄は、頭蓋骨の下部(大後頭孔)を通って脊柱(背骨)の中へと入ります。脊髄は脊柱を下へ向かって伸びますが、背骨の一番下(尾骨)まで達するわけではありません。成人では第1~第2腰椎の高さで終わり、それ以降は「馬尾(ばび)」と呼ばれる神経線維の束が続いています。

成人の脊髄の長さは、個人差があるもののおよそ40~45cmで、体の中心部に位置しています。

・延髄とは?

延髄は脳幹の下部に位置し、呼吸や心拍、血圧、嚥下、咳反射など、生命維持に重要な自律神経機能を調整する部位です。

・馬尾とは?

馬尾(ばび)とは、脊髄の下端から伸びる神経の束のことです。脊髄自体は腰椎の上部で終わりますが、その下に神経が馬の尾のように集まって伸びているため、この名前がつけられました。馬尾は主に、骨盤や下肢に向かう感覚や運動の信号を伝える役割を担っています。

どんな構造?

脊髄とは?

出典:https://www.kansetsu-itai.com/about/spine-ill/spine-ill001.php

脊髄は非常に柔らかく繊細な組織であるため、脊柱(せきちゅう、背骨)によって保護されています。脊柱は24個の椎骨(ついこつ)と、さらに仙骨や尾骨で構成されています。

脊髄は神経の束が集まった構造で、以下の5つの主要な領域に分けられています。それぞれから神経が枝分かれし、体の異なる部分を支配しています。

脊髄神経と支配領域

脊髄は、脳からの指令を体全体に伝えたり、体からの感覚を脳に送る中継点として機能します。脊髄からは31対の脊髄神経が分岐し、それぞれが特定の部位を支配しています。

脊髄神経には、

・ 運動神経:脳からの指令を筋肉に伝え、体を動かす。
・ 感覚神経:皮膚や筋肉からの感覚情報を脳に送る。
・ 自律神経:内臓の働きや血圧、体温の調整を行う。

といった働きがあります。

脊髄神経の構造

脊髄とは?

出典:https://jtca2020.or.jp/news/cat3/dermatome/

・ 頚神経(Cervical nerves, C1-C8)

8対で構成され、肩や腕、手の運動と感覚を制御する神経です。横隔膜を支配するため、呼吸に重要な役割を果たします。

[支配領域]
C1-C4: 首、後頭部、横隔膜(呼吸を助ける)
C5: 肩、上腕
C6: 肘の屈曲、親指
C7: 肘の伸展、中指
C8: 手の指全体の動き、握力

・ 胸神経(Thoracic nerves, T1-T12)

12対で構成され、胸部や腹部の運動と感覚を制御する神経です。

[支配領域]
T1: 上肢の一部
T2-T12: 胴体、体幹
胸部、背中、腹筋、肋間筋(肋骨の間の筋肉)

・ 腰神経(Lumbar nerves, L1-L5)

5対で構成され、下肢の運動と感覚を制御する神経です。

[支配領域]
L1-L3: 股関節、太ももの前面
L4: 太ももの前面、膝、すね
L5: 足の甲、足の指

・ 仙骨神経(Sacral nerves, S1-S5)

5対で構成され、骨盤周辺や足の運動と感覚を調整する神経です。

[支配領域]
S1: 足首、足の裏
S2-S4: 骨盤、膀胱、直腸

・ 尾骨神経(Coccygeal nerve, Co1)

1対で構成され、尾骨付近の皮膚感覚を担当します。

・ 尾骨神経(Coccygeal nerve, Co1)

1対で構成され、尾骨周辺の皮膚感覚を調整する神経です。

[支配領域]
尾骨周辺の皮膚感覚を担当します。

脊髄神経を損傷すると・・・。

脊髄神経を損傷すると、損傷部位とその下位にある神経の働きが部分的または完全に失われ、さまざまな障害が生じます。

・ 麻痺:筋力低下、筋肉が動かないなどの運動麻痺
・ 感覚障害:しびれや痛み、感覚の喪失。
・ 自律神経障害:排尿・排便のコントロール不能。

といった、生活に大きな負担が伴う症状が発生する可能性があるため、あらかじめ病気のことや予防方法をよく知っておくことが大切です。

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