2024.07.03

経皮的椎体形成術

けいひてきついたいけいせいじゅつ

経皮的椎体形成術とは

経皮的椎体形成術は、主に骨粗鬆症などで引き起こされる脊椎の圧迫骨折に対して行われる治療法の一つです。
変形・損傷した椎体に医療用の骨セメントを注入し、骨の安定性を高めることで痛みを軽減する治療です。患者の身体的負担が少なく、手術後の回復も比較的早いのが特徴です。特に骨粗鬆症が原因で発生する脊椎圧迫骨折に対して有効であり、保存的治療で効果が得られない場合や、強い痛みが続く場合に適用されます。

経皮的椎体形成術が選択される疾患

経皮的椎体形成術は、主に以下の疾患に対して行われます。

骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折
骨密度の低下により、軽微な外力でも脊椎が圧迫されて骨折が生じることがあります。この骨折による痛みや骨の不安定さを軽減するために、経皮的椎体形成術が選択されます。

脊椎の病的骨折
腫瘍や転移性癌による骨破壊が原因で脊椎が圧迫されて骨折した場合にも、この手術が適用されることがあります。

脊椎の疲労骨折
スポーツや過度の運動により、脊椎に繰り返し負荷がかかることで起こる疲労骨折に対しても適応されることがあります。

経皮的椎体形成術の手順

経皮的椎体形成術の手順は以下の通りです。

1. 準備と麻酔
患者には全身麻酔が施され、手術台でうつぶせの状態になります。場合によっては、鎮静剤も併用されることがあります。

2. 透視下でのガイド
X線透視を使って、骨折した椎体の正確な位置を確認しながら、細い針を背中から挿入します。

3. 骨セメントの注入
針が椎体内に到達したら、医療用の骨セメント(ポリメチルメタクリレート)が注入されます。セメントは液状で注入され、椎体内で硬化して骨を安定させます。

4. 手術の終了
セメントが硬化したことを確認した後、針を抜いて手術が完了します。この手術は通常1時間程度で終了し、当日または翌日には歩行が可能となります。

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